昔を見つけて
歩き出せばどうにかなる気がして
ポケットに手を入れたまま
どこかの広告塔は、見ないフリをした

空が見える少しの間に
布から食み出した指をそっと
小さな箱に詰めて
忘れた住所に届けた

もうそんな遠くへは行けない
転がって
何を踏み付けたのかわからない
前が見えない
幽かな迷路

七色に光った後姿に
液晶が映える
初めての瞬きを
また終い込んだ

葉脈

私は、屍だ